ようやく追い付きました
昨年、「二重標的」(ハルキ文庫)を読んで以来、すっかりファンとなった作家・今野敏。
今年52歳になる今野氏は大学時代に作家デビューし、その後会社員を経て、作家専業となりました。作家になってから長く不遇な時代を過ごしましたが、数年前にようやく人気作家の仲間入りを果たしました。
自ら道場「空手道今野塾」を主催しているだけに、格闘シーンの描写は迫力満点。「これまでにない作家だなぁ」と感心しています。
そんな今野氏の作品で最も支持されているのが「ST警視庁科学特捜班」シリーズ。現在まで全10冊刊行され、うち9冊は文庫化されています。
数日前に5月に刊行された「ST 黒の調査ファイル」(講談社文庫)を入手。これで現時点での文庫における最新作に追い付くことができました。
「科学特捜班」という名前の通り、医学・薬学・化学・音響学など、それぞれ専門の分野のスペシャリストが所属する集団です。そんな彼らの活躍を描くのが「ST」シリーズなのです。
とても個性あふれる集団だけに、現場の刑事たちと対立することもしばしば。その対立の模様もまたシリーズの魅力の一つです。
STのメンバーを挙げてみます。
青山翔…文書・プロファイリング担当。秩序恐怖症
赤城左門…法医学担当。女性恐怖症で「一匹狼」を自称する
山吹才蔵…化学担当。薬学の専門家で、現職の僧侶
結城翠…物理担当。セクシー美女。異常な聴力を誇る
黒崎勇治…化学物質担当。嗅覚が発達した武道の達人
そして彼らを統率するのが百合根友久警部。いつもSTのメンバー達に振り回されながらも、最後はきっちりまとめる有能な警察官です。
「黒の調査ファイル」を読み終わったら、しばらく「ST」シリーズから離れることになります。
同シリーズの新刊を期待しています。
今野敏氏の公式サイトはこちらです。
| 固定リンク
「趣味」カテゴリの記事
- 今野敏のデビュー作『怪物が街にやってくる』(2018.04.08)
- 堂々の完結:『孤拳伝』(2018.03.23)
- 3冊目となる原発関連本『全電源喪失の記憶』(2018.03.05)
- もう一つの実話誌を初めて読む(2018.02.20)
- 待望の文庫化『天才』(2018.02.11)
コメント